
ドバイの不動産市場への投資は、非居住者、特に日本人投資家にとってますますアクセスしやすくなっています。UAEの銀行は非居住者向けにさまざまな不動産投資ローンを提供しており、これらを活用してドバイで投資が可能です。2024年4月の報道では、UAEでの不動産投資融資の40%が非居住者によるもので構成されています。世界的にみて、非居住者に対してこれだけ積極的に融資をしている国は他にありません。
銀行の融資条件、審査条件等は日々変化しています。最近のケースでは、ある月を跨いだら、条件が突如として大きく変化するなど、非常にダイナミックです。銀行のウェブサイトの情報も常に最新のものではなく、融資担当者や専門アドバイザーとの緊密なコミュニケーションが必要です。
ここでは、ローンの利用条件、融資比率(LTV)、金利、審査項目、および申請手続きについて解説します。
ローンの利用条件
-
ローン金額と期間:
-
最大ローン金額: 銀行によってポリシーは大きく異なります。ADCBは1,500万ディルハム、マシュレック銀行では1,000万ディルハムを最大値として設定しています。居住用のアパートメントであれば、ほとんどのユニットはこの金額内でLTVを上限まで利用することが可能です。
-
返済期間: 最大25年間で、借り手は返済終了時に給与所得者は65歳以下であることが求められます。自営業者は70歳です。給与所得の場合、最大の25年返済を得るためには、融資時点で40才以下であることが必要です。
-
-
金利: 一般的には5% 〜 6.5%の範囲で、銀行の方針により固定金利、変動金利、または固定金利期間選択が選べます。日本と比較して高金利ではありますが、ドバイは収益性も日本以上の水準のため、適切に不動産を選定すれば融資を活用して収益を最大化することが可能です。
-
融資比率(LTV)比率: 非居住者の場合は、50 〜 70%のLTVが提供されます。銀行の方針や申請者の財務状況によって異なります。
- 適格基準:
-
国籍と年齢: 銀行によっては対象国リストがあり、日本が含まれていることを確認する必要があります。国籍を問わず21歳以上であることが求められます。
-
銀行取引明細: 通常、非居住者はUAE内で収入証明を提出する必要はありませんが、職業を持つ国で、最低6ヶ月分の銀行取引明細書が必要です。銀行によっては、下記の収入条件に加えて、残高要件を課すことがあります。
-
年齢制限: 銀行の年齢制限(給与所得者は65歳以下、自営業者は70歳以下)を満たす必要があります。
-
収入要件: 銀行ごとに最低月収要件が定められており、一般的には税引後で15,000 〜 25,000ディルハム(日本円で60 〜 100万円強)が求められます。日本の場合は、所得税、社会保険料の天引き後の金額で審査されます。
-
-
債務状況: ほとんどの方には当てはまりませんが、UAE国内に債務がある場合は、審査で考慮されます。給与所得が返済余力と見なされ、返済負担が過大になりすぎない様に規制が存在します。
申請手続き
- 銀行の選択(モーゲージアドバイザー経由):
-
様々な銀行が非居住者向けローンを提供していますが、適用条件や審査条件、手続きも銀行ごとに異なっており、これらの銀行と日常的にやりとりをしているモーゲージアドバイザーに依頼することが最もスムーズです。
-
- 物件選定と書類準備:
-
物件を選定し、必要書類(有効なパスポート、銀行取引明細書、給与明細または財務諸表、資金の合法的な出所証明)を集めます。
-
- 事前承認と契約:
-
銀行から融資の事前承認(プレアプルーバル)を取得し、予算を把握します。
-
物件を選定し、売買契約を締結し、ドバイ土地局に登録します。その後、すべての書類を銀行に提出し、最終的なローン承認を受けて、住宅ローン契約を締結します。この場合、売買契約上で「必要な額のローンの承認が得られること」を取引成立の条件として盛り込んでおく必要があります。
-
- 追加費用:
-
頭金の他に、仲介手数料や、登記料、銀行手数料、抵当権登録費用、物件評価手数料、保険(生命保険および物件保険は必須)などの諸費用を用意する必要があります。
-
結論
UAEの銀行ローンを活用することで、非居住者であっても、活気あるドバイの不動産市場への投資可能性を大いに高めることができます。各銀行の特定の要件と条件を十分に調査し、理解することで、賢明な投資判断を下すことが重要です。自分の財務状況に合わせた詳細なアドバイスを求めるには、ドバイの不動産市場を専門とする住宅ローンアドバイザーに相談することをお勧めします。ドバイホームは信頼のおけるローンアドバイザーと提携しておりますので、融資のご要望がある場合はお問い合わせ下さい。